チタン旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!

チタン旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!

チタンは高級な素材であり、医療機器・医療器具の材質としてよく使用されています。(医療用鉗子etc)
一方、当社では工業用の用途で用いられるチタン素材や、民生品向けのチタン製品を加工した実績があり、医療用以外の用途での製品を加工した実績が多数あります。本ページでは、当社がこれまで扱ってきたチタン製(旋盤)加工品をご紹介いたします。

チタンを素材として採用する上で知っておきたい!種類と特性とは?

チタン素材には、純チタンとチタン合金があります。我々が一般的に目にするのはこの純チタンで、高速切削加工が困難なチタン合金(64合金)は難削材に分類されています。以下ではまず、チタン合金・純チタンの材質特性に触れ、素材に対する理解をしていただきます。

純チタン

純チタンはJIS規格に要件が規定されており、Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種・Ⅳ種とに分かれます。Ⅰ種が最も柔らかく、Ⅱ種、Ⅲ種とグレードが上がるごとに硬さが増していきます。一方で、チタンの純度はⅠ種が最も高くⅡ種、Ⅲ種となるにつれて低くなるという点が特徴です。

チタン合金(64合金)

チタン合金(64合金)は、64(ロクヨン)チタンと呼ばれ、一般的には次のように表記(Ti-6AL-4V)されます。材質特性としては、チタンのα相とβ相の特徴をバランスよく組み合わせた合金です。「Ti-6AL-4V」は化学成分を明記したもので、質量分率でアルミ(AL)が6%、バナジウム(V)が4%含まれていることを意味しています。

先述の純チタンに比べ、引張強さ1.7倍以上、耐力3.8倍以上もの優れた特性を持っており、航空機、ロボット関連部品、医療、化学プラント、半導体設備など、幅広い分野で使用されています。

チタンが重宝される4つの素材特性

チタン素材が採用される理由のひとつである4つの材質特性についてご紹介します。

チタンの「耐熱性」

溶融点は純チタンで1,668度とステンレス鋼(SUS304)の溶融点1,400度と比較しても、非常に耐熱性が高い材質です。
※ステンレスの旋盤加工を得意としていますが、より耐熱性が求められる環境においてはこのチタンを素材とした製品が求められます。

チタンの「耐食性」

表面に形成される不動態皮膜により、硝酸や塩素イオンを含む環境ではプラチナと同等以上の耐食性を示します。
※薬品の製造装置や、プラント向け・海水中で使用される部品などで求められる材質特性です。

チタンの「強度」

アルミニウムと比較した場合、質量は60%程重いものの約2倍の強度を誇ります。
※アルミ材の特集記事もございますので、「アルミ旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」もご覧ください

チタンの「軽さ」

質量は鋼鉄の45%、銅の約半分と非常に軽い素材です。

チタンの旋盤加工事例

次に、当社のチタンの旋盤加工事例についてご紹介したいと思います。当社がこれまで扱ってきた中で、チタンを素材として加工した事例を一部ご紹介していきます。

■ 純チタン(TB340)旋盤加工品- リング

こちらは、当社にて加工を行いました純チタンTB340製 リング形状品です。
サイズは、φ70×15 最小肉厚約1.5です。外周に3か所切り欠けがあり、図面指定上も
同軸、同芯、真円度が必要とされる製品で、加工難易度の高い製品と言えます。

本製品は、プラント向けの製品として使用されており、配管形状の製品の接続部として利用されるために
先に挙げた幾何公差に対する仕様要求が高く、加工時に十分に配慮した加工が必要となります。

▽▽ 詳しくはこちら ▽▽

純チタン(TB340)旋盤加工品- リング

■ 純チタンⅡ種旋盤加工品‐shitatari‐

こちらは、ステンレス精密旋盤加工.COMが個人向けの自社ブランド製品としては商品化を行ったshitatariというチタン製酒器のサンプル品です。
加工としては、チタンTB340(純チタンⅡ種)の無垢材よりの削り出しを行っており、SUS304でも加工を行うことが可能となっています。
本製品の特長としては、肉厚最小の箇所1mmとなっている点が挙げられます。ポイントとしては・・・

▽▽ 詳しくはこちら ▽▽

純チタンⅡ種旋盤加工品‐shitatari‐

■ チタン旋盤加工品-スリーブ-

Ti 6AL-4V製スリーブ

こちらは、ステンレス精密旋盤加工.COMが製作した、チタンの中でも切削性の悪い64チタンの無垢材からの切削加工品です。
64チタン材を用いた薄肉旋盤加工品は、材質特性として高強度であるという点が挙げられ、特殊な環境で使用されることが多い材質であり、一品一葉の加工が求められる製品です。

▽▽ 詳しくはこちら ▽▽

チタン旋盤加工品-スリーブ-

当社が得意とするステンレス精密旋盤加工について

ステンレス旋盤加工とは?

「ステンレス(SUS303) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」

「ステンレス(SUS304) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」

「ステンレス(SUS316) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」

当社が得意とするアルミ精密旋盤加工について

アルミ旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!