ステンレス(SUS316) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!
まずは、「旋盤加工屋が徹底解説!ステンレス旋盤加工の難しさ」をご覧ください!
ステンレス(SUS)は、難削材の一種で、鉄(Fe)を主成分とし、クロム(Cr)やニッケル(Ni)を含有させた合金です。一般的な定義としては、クロムを11%以上含有させた鋼をステンレス鋼としています。また、11%以上になると錆びにくさ(耐食性)が飛躍的に向上するとされており、このクロムの含有量が増えることで耐食性や耐熱性が非常に高くなる材質です。
本ページでは、SUS316を中心に解説をさせて頂きます。SUS316という材質は、SUS304にモリブデン(Mo)を添加し、耐食性、耐孔食性を向上させたステンレス素材です。耐食性があるということから用途は医薬品関連や海水・水などに触れるプラント関連向け部品としての用途が高いといえます。加工後の外観の見た目の他のオーステナイト系の材料と区別がつきにくいため、最終的な材料チェックにモリブテンチェックという検査方法がございます。
当社では、他のページでも紹介している通り、SUS材を活用した旋盤加工品の実績を多数保有しています。今回は、末尾にSUS316の旋盤加工品実績もご紹介しています。ぜひご覧ください。
オーステナイト系ステンレス(SUS300系)
まずはオーステナイト系ステンレスに関する解説をいたします。SUS316材は先に記載している通り、オーステナイト系ステンレスという分類に属しています。このオーステナイト系ステンレスというのは、SUS304に代表される素材で、加工全般で「ステンレス加工」というとオーステナイト系ステンレスを指し、ステンレス素材の中でも最も一般的な材質です。
・「ステンレス(SUS303) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」
・「ステンレス(SUS304) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」
でもご紹介しているSUS304の素材特性が近いため、延性および靭性が優れ、耐食性も優れています。当社の加工実績もプラントやエネルギー業界向けが非常に多くありますが、低温、高温環境下でも変化が少ない、優れた材質であるといえます。
SUS316以外にも、このオーステナイト系ステンレスの旋盤加工実績が多数あり、SUS303・SUS304・SUS304L・SUS316L・SUS317などの加工実績があります。
SUS316に関する加工実績は、下記をご覧ください。
SUS316の加工に関する豆知識
・旋盤加工屋が解説!:データムの設定と、表面粗さ精度の加工におけるポイント
・旋盤加工屋が解説!:真円度要求に対するデータムの設定と加工におけるポイント
・旋盤加工屋が解説!:同芯度/同軸度要求に対するデータムの設定と加工におけるポイント
・旋盤加工屋が解説!:振れ精度のデータムの設定と加工におけるポイント
・旋盤加工屋が解説!:隅R・角R指定と加工上のポイント
SUS316を採用する上で知っておきたい!塑性と加工特性とは?
SUS316は18Cr-12Ni-2.5Moの組成を持つ材料で、先にもご紹介をした通りSUS304にモリブデンを加えることで、海水や各種媒質への耐食性を向上させたステンレス鋼材です。また、耐孔食材料として使われます。当社の加工品の一部もそれに当たりますが、製品海水ポンプ、配管部材、船舶部品、バルブなどの用途で使用される場合があります。
加工性という点で見ると、SUS304と比較して加工性は悪く、形状が複雑となるほどに加工ノウハウと経験が求められます。また、モリブデンが添加されていることから素材単価としてもSUS304と比較して、高価であるといえます。
その為、加工形状が難しい・精度の追い込みが厳しいという加工品であっても失敗は許されず、お客様より材料支給をいただくような場合には丁寧な加工が求められる素材と言えます。
当社では、ハステロイやインコネルなど高価な耐食鋼を数多く扱っており、失敗が許されない高価な素材への加工も得意としています。再現可能な形状の一例として、下記に加工事例をご紹介してます。詳しくは下記をご覧ください。
SUS316の旋盤加工事例
次に、当社のSUS316の旋盤加工事例についてご紹介をいたします。当社がこれまで扱ってきた旋盤加工品の中でも、SUS304に次いで数多く採用されている材質です。詳しくは下記ををご覧ください。
ステンレス(SUS316)製旋盤加工品‐島残し加工フランジ-
こちらはステンレス精密旋盤加工.COMが加工した、ステンレスSUS316製 端面島残し加工を施したフランジです。
本製品のサイズは、φ180×18となっています。業界はプラント業界向けです。
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ステンレス316製 旋盤加工品‐薄肉リング‐
こちらは、ステンレス精密旋盤加工.COMが加工を行ったステンレスSUS316製の薄肉形状物のリングです。
大きさはφ140×7 最小肉厚2.65tと肉厚の薄さが特徴の一つと言えます。
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ステンレス(SUS316)製旋盤加工品-鍔付き薄肉スリーブ-
こちらは、ステンレス精密旋盤加工.COMが加工した旋盤加工品の一つで、ステンレスSUS316製鍔付き薄肉スリーブです。加工品のサイズは、φ170×260。最小肉厚部4mmという当社で薄肉旋盤加工品というカテゴリーに入る製品です。
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ステンレス(SUS316)製旋盤加工品-鍔付き薄肉スリーブ-
ステンレス316(SUS316)の旋盤加工品-ツバ付き薄肉スリーブ-
今回ご紹介するステンレス旋盤加工事例は、SUS316製のツバ付き・薄肉スリーブです。本事例はプラント業界向けの製品で、大きさはφ150×200です。ロット1個で、形状における特徴として、写真のようにツバの端面に掘り込み端面溝があります。
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ステンレス316(SUS316)の旋盤加工品-ツバ付き薄肉スリーブ-
ステンレス316(SUS316)の旋盤加工品-フェルール-
今回ご紹介するステンレス旋盤加工事例は、SUS316製の特注フェルールです。プラント業界向けの製品で、大きさはφ100×150です。写真は情報公開の兼ね合いで、モザイク処理を施しています。
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ステンレス316(SUS316)の旋盤加工品-フェルール-
ステンレス316(SUS316)の旋盤加工品-フェルール-
今回ご紹介するステンレス旋盤加工事例は、プラント業界向けSUS316とアルミニウムの圧入製品です。
製品サイズは、大きさ:φ340×50です。母材SUS316にアルミのリングを圧入しております。※圧入は弊社での対応ではございません。
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ステンレス(SUS316)旋盤加工品‐圧入部品ー