アルミ旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!
アルミが製品の素材として採用される最も多い理由は、軽いという材質特性にあります。さらに加工性という点でも柔らかい性質があるため、加工性も高い素材といえます。しかし、アルミ100%の加工品は部品の強度としては不十分である可能性があり、我々が日々使用するアルミは、アルミの強度部分の欠点を克服する為にマンガンや銅、ケイ素、亜鉛、マグネシウム、ニッケルなどの他の金属が加えられています。
結果、これら材質を加えた化合物は、強度を上げつつアルミの長所である軽さを併せ持った材料となり、様々な用途で用いられています。アルミを理解する上では、加えられる金属素材の点で分類することが最も近道といえます。
アルミを素材として採用する上で知っておきたい!種類と特性とは?
それではアルミに含有させる化合物を軸に、アルミ材の特性について解説をしています。
まず、よく見かけるアルミ○○番系をもとに、その含有化合物をご紹介します。
- 1000番系:含有加工物 なし
- 2000番系:化合物Cuが含有される。
- 3000番系:化合物Mnが含有される。
- 4000番系:化合物Siが含有される。
- 5000番系:化合物Mgが含有される。
- 6000番系:化合物Mg、Siが含有される。
- 7000番系:化合物Zn、Mgが含有される。
アルミの1000番系~7000番系まで種類は様々にありますが、旋盤加工の素材として活用されるのは一部であり、当社が数多くの加工実績を持つ素材は、5000番系・6000番系の素材です。下記では、この2つの素材にフォーカスをあて、素材特性を詳しく紹介すします。
アルミ5000番系素材とは?
A5000番系素材は、マグネシウム(Mg)が添加されることで耐食性と強度をアップさせた合金で、加工性も良いのでアルミニウムの切削材料としては最もメジャーな材料です。旋盤加工を行う素材として代表的な例が丸材のA5056やマグネシウム含有率を上げた高強度のA5083などがあります。当社では、A5056材への加工実績があり、旋盤加工事例の中でもその一部をご紹介しています。
アルミ6000番系素材とは?
A6000番系素材は、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)が含有されており、5000番系のアルミニウムより強度や耐食性が優れています。後述の加工事例をご覧いただくとわかりますが、実は当社ではこの6000番系素材の加工実績が充実しています。
代表的な合金番号のA6061は銅(Cu)が添加されており熱処理による硬化で、SS400程度の強度があります。
では次に、当社がアルミ材に対して実現できる加工実績をご紹介します。ご紹介する事例は、薄く・高い幾何公差要求のある製品を実現する精密旋盤加工技術が集約された製品です。同軸度・真円度などの加工精度に注目ください。
アルミの旋盤加工事例
次に、当社のアルミの旋盤加工事例についてご紹介したいと思います。下記では当社がこれまで扱ってきた中で、アルミを素材として加工した事例を一部ご紹介していきます。
■ アルミニウム(A6061)製旋盤加工品-薄肉形状ハウジング-
本事例は、アルミニウム製 薄肉形状ハウジングです。
材質はA6061 大きさはφ510×125です。
用途は検査設備の中に使用されます。最小肉厚は5mm内径に突起がある形状です。加工工程としては、無垢の板材より削り出しを行いました。
削り代が多いため、無垢材の段階では手で持てない重さでしたが、完成後には十分持てる重さまで軽くなります。
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アルミニウム(A6061)製旋盤加工品-薄肉形状ハウジング-
■ アルミ旋盤加工品‐薄肉リング‐
こちらは、ステンレス精密旋盤加工.COMで製作をしたアルミ製の薄肉リングとなります。サイズは、φ230×φ135×30となっており、A6061材を用いた加工品となっています。
材質的な特徴としては、熱処理(T6処理:溶体化処理後、人工時効硬化処理したもの)を施した材質である為、比較的加工性は高い材質と言えます。
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■ アルミ‐マグネシウム旋盤加工品-先端金具フランジ-
こちらは、ステンレス精密旋盤加工.COMが加工をした、アルミ製の先端金具フランジです。
材質には、5000番台 Al-Mg系の素材を使用しており、製品サイズは、φ270×120 業界は非公開となります。
加工におけるポイントとしては、無垢材からの削り出しを行っており、形状的な特徴として、内径の円周方向と、内径奥の突起の外側には端面方向にえぐりの加工がある点が挙げられます。
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アルミ‐マグネシウム旋盤加工品-先端金具フランジ-
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