ステンレス(SUS430) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!
まずは、「旋盤加工屋が徹底解説!ステンレス旋盤加工の難しさ」をご覧ください!
ステンレス(SUS)は、難削材の一種で、鉄(Fe)を主成分とし、クロム(Cr)やニッケル(Ni)を含有させた合金です。一般的な定義としては、クロムを11%以上含有させた鋼をステンレス鋼としています。また、11%以上になると錆びにくさ(耐食性)が飛躍的に向上するとされており、このクロムの含有量が増えることで耐食性や耐熱性が非常に高くなる材質です。
本ページでは、SUS430を中心に解説をさせて頂きます。SUS430という材質は、クロム(Cr)-16%以上のステンレス合金鋼です。フェライト系ステンレス鋼に分類される鋼種で強い磁性を持ちます。耐食性に優れ、台所のシンクや厨房機器等の水回りで使用されることが多いです。
フェライト系ステンレス(SUS400系)
まずはフェライト系ステンレスに関する解説をいたします。フェライト系ステンレスというのは、SUS430材に代表される素材です。このフェライト系ステンレスは、耐食性の面でも優れており、クロムの含有率を上げることで、耐酸化性・耐食性の面でさらに強化することができます。
この材質を用いた加工品の用途としては、厨房用品、建築内装、自動車部品、プラント機器部品、化粧品、化学薬品などに広く用いられています。
これまでオーステナイト系ステンレスについてのコンテンツも公開しています。気になる方は下記をご覧ください。
オーステナイト系ステンレス(SUS300系)に興味がある方はこちら!
・「ステンレス(SUS303) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」
・「ステンレス(SUS304) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」
・「ステンレス(SUS316) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」
次にSUS430に関する加工におけるポイントを塑性・加工特性の点から解説いたします。
SUS430を採用する上で知っておきたい!塑性と加工特性とは?
SUS430はSUS304と比較してみると、化学的な組成が理解しやすいので、SUS304との対比で解説していきます。SUS304はクロム・ニッケルなどを含む組成を持ちますが、SUS430はNiを含んでおらず、比較的安価であるという点が特徴と言えます。また、SUS304、SUS316にはやや劣るものの、耐食性・強度にも優れている素材です。
一方で、加工性は?というと、SUS304と比較してニッケルを含まない分、熱伝導率が高く・ヤング率も高いので、加工時の大きな力に対して変形しにくいといえ、加工はしやすい素材と言えます。
その為、精度が求められる製品・薄肉で形状が複雑な旋盤加工品にはSUS430を素材とする方が向いていると言えます。※当社のステンレス旋盤加工・薄肉旋盤加工技術では、SUS304・316材にも複雑な形状を加工することができますし、その点が当社のコア技術です。
では、つぎに具体的な加工事例については下記でご紹介します。
SUS430の旋盤加工事例
次に、当社のSUS430の旋盤加工事例についてご紹介したいと思います。
ただし、これまで当社の加工実績と一般公開させていただいているものの中にSUS430を素材とした製品がないため、
当社がこれまで扱ってきた中で、SUS410を素材として加工した事例を一部ご紹介していきます。
■ ステンレス(SUS410)製旋盤加工品‐スリーブ-
ステンレス精密旋盤加工.COMが加工を行ったステンレス旋盤加工品‐スリーブ-という製品です。
加工におけるポイントとしては、すべての箇所に公差、幾何公差の製品です。同軸、同芯、真円度、各寸法公差。重要部品の一つです。
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■ ステンレス(SUS410)製旋盤加工品-アダプタ-
ステンレス精密旋盤加工.COMで製作を行った「SUS410の削り出し加工品」です。加工におけるポイントとして、外周部より中心に向いた穴加工箇所が挙げられます。
このような加工に対して、当社では2軸付加軸のロータリー円テーブル付きのMCを所有しており、外周からの斜め穴など品物を傾けた加工も容易に行えます。
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■ ステンレス(SUS410)製旋盤加工品‐ディスク‐
ステンレス精密旋盤加工.COMで製作を行ったSUS410製のディスク形状品です。化学プラントで部品として使用されるSUS径材料の機械部品となります。特長としては、肉厚が径方向、端面方向共に薄いディスクです。厚み方向の平面度、内外径の同軸、真円が出にくい製品です。内径公差±0.02 厚み方向の平面度0.02を満たしております。
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ステンレス(SUS410)製旋盤加工品‐ディスク‐
ステンレスへの精密旋盤加工について
「ステンレス(SUS303) 旋盤加工に関するキホンと加工を徹底解説!」